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平成13年7月15日 雄亮 「美容師法第6条を遵守する上で、学生、経営者・・それぞれの視点での留意点」 はじめに 美容師法は、美容師法を定める目的(第一条)から始まっている。そして、その目的には次のように定めている。
また、美容師法は衛生法規(衛生の思想と実行を国民一般に普及し、国民の健康を保持するとともに、さらに積極的に増進することを目的として制定された法律や命令、規則などを総称して衛生法規と言う。)のひとつです さらに、衛生法規といえば、日本国憲法第25条第2項に規定する「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上に努めなければならない」という理念に基づいているのです。 美容師といえば、ヘアデザイン・メイク・着付け等の技術の向上が業を行う上で大切ですし、どうしてもそちらのほうに気がとられがちです。ただし、たくさんの人がサロンを利用することを考えれば、まずは「利用者の健康を保持しなければならない」ということに大前提なります。このことは、美容師の倫理としても求められるという事を忘れてはいけません。美容師法のキーワードは「公衆衛生の向上」ですし、それは法を遵守しなければならない大きな理由でもあります。 さて、美容師法第6条「美容師でなければ、美容を業としてはならない」を遵守する上で、学生、経営者・・それぞれの視点で考察する時、留意すべき点を、それぞれの立場でチェックすることが必要だと考えます。 私たちが、未来の計画を考える時、外的環境の変化、内的環境の変化を分析するのが常ですが、美容業界においては、平成10年4月より、美容師養成施設における修学期間が変わりました。さらに平成10年3月以前に美容師養成施設に入学した人(旧養成課程を修了した人)が行う、実地修練の終期が平成14年3月31日までと定められました。 「美容師法第6条を遵守する上で、学生、経営者・・それぞれの視点での留意点」
1 美容師を目指す中学校卒業見込み者(学校教育法第四十七条に規定する者)
私的意見として、美容師になりたければできる限り高校だけは卒業しておいた方がよいと考えます。 1)美容師養成施設は、中卒者に対しても「入所させることができる」としているが、「入所させなさい」とはしていない。中卒者を入所させるための基準をみたしている美容師養成施設が「入所させることができる」と考えられるが、美容師養成施設昼間課程でその基準をみたしているところはどれくらいあるのか。 2)美容師養成施設通信課程において、中卒者が「入所できる」としているところがどれくらいあるでしょうが、一方「無免許者は何ができるか」を考えた場合、採用してくれる美容事業所があるかどうかが問題です。 3)美容師養成施設通信課程においては、美容事業所に入所している者(300h)と、(600h)に対する面接授業の時間が違います。美容師養成施設の負担(人的・物的)が違いますので、その時美容師養成施設はどの様に対応するでしょうか。美容事業所に入所している者しか入所させないという美容師養成施設が出てくることはないでしょうか。 資料
2 美容師を目指す高校卒業見込みの者等(学校教育法第五十六条に規定する者) 美容師法等が改正された後、それがどの様な形で現れるか。以下はその考察留意点。 1)修学期間が長くなり、従来よりも経済的負担が大きいがその点どう対応するか。 入所選択基準 a)県内 県外 b)昼間課程 夜間課程 通信課程 2)「無免許者は何ができるか」を考えた場合、美容師養成施設通信課程の希望者を採用してくれる美容事業所はあるか。(通信課程の多くは、10月入校なので、実質3年7ヶ月は無免許状態。) 3)「実地修練生と通信課程在学生を同様に扱っている」ということが美容事業所の責任者にないでしょうか。勘違いの行為があるとすれば、保健所からの指導があったとき大変です。 4)美容師養成施設通信課程においては、美容事業所に入所している者(300h)と、美容所に入所していない者(600h)に対する面接授業の時間が違います。美容師養成施設の負担(人的・物的)が違うので、その時美容師養成施設はどの様に対応すると考えられるか。 5)美容師養成施設通信課程を選択した場合、美容師養成施設昼間課程を卒業した後輩が先に免許を取得し、仕事面で先に進むということが考えられます。その時、あなたはその状況に耐えられでしょうか。 資料 「理容所及び美容所における衛生管理要領」より
3 美容師を目指す美容師養成施設在学生 美容事業所との接点が少なくなること及び補助業務従事者(通信教育中のものを含む。)の業務範囲が限られる状況でどんな問題が生じるのでしょうか。以下はその考察留意点。 昼間課程生(夜間課程生) 1) 実地修練(美容事業所で1年間)をしなくても美容師免許を取得することができる。 2) 美容実習において先生に対する生徒の人数が多を考えたとき、美容施術技能を正確に収得することができるか。作業分解してポイントをしっかりおさえることができるか。聞く姿勢をしっかりと維持しないと、基本からはずれ自己流に陥りやすい(あとが大変)。 3)美容実習が美容試験の課題に偏らないだろうか。 4)就職内定に「但し書き」が付かないだろうか。例えば「ただし、美容師試験に合格すること。」 通信課程生(美容所に従事する者) 1) 美容の本質的作業に独立して従事することは認められないなかで、就業意欲と収得意欲を維持・継続させることができるだろうか。(通信課程の多くは、10月入校なので、実質3年7ヶ月は無免許状態。) 2) 美容師養成施設昼間課程を卒業した後輩が先に免許を取得し、仕事面で先に進むということが考えられるが、その時あなたはその状況に耐えられるだろうか。 通信課程生(美容所に従事しない者) 1) 美容の本質的作業に独立して従事することができないし、見ることもできない環境のなかで、美容師になる意欲と美容技能の収得意欲をいかに継続させることができるだろうか。(通信課程の多くは、10月入校なので、実質3年7ヶ月は無免許状態。) 2)実技試験の課題である美容実技を面接授業だけで習得できるのだろうか。
4 美容師養成施設運営者 通信課程生の入所状況の変化があり得るか。またそこから生じる問題はないか。以下はその考察留意点。 1) 美容師法第6条を遵守することを前提に判断したとき、美容事業所に従事できない(美容所が採用しない)通信課程生が増えないか。増えない場合は、3)につながらないだろうか。 2) 美容師法第6条を遵守することを前提に判断したとき、通信課程の入所志望者は減少しはしないだろうか。 3) 美容師養成施設の増設や、新たな美容師養成施設の設立がどれくらいありえるのか。 4) 通信課程の入所希望者が減少した場合、美容師養成施設を運営するうえで収支バランスに問題は生じないだろうか。 実地習練制度の終了にあたって、美容事業所の従業者の採用、育成、活用をどの様に計画実行していくのか。抜本的見直しが必要と推察される。以下はその考察留意点。 1) 最低賃金を守りながら補助業務従事者(業務範囲は、清掃、タオル絞り、道具整理等は認められるが、理容又は美容の本質的作業に独立して従事することは認められないこと。)を何人採用できるだろうか。 2) 美容師法改正により実地習練制度が無くなります。美容師養成施設の卒業者は、美容事業所での実地習練が無くても美容師免許を取得することができます。このことにより、美容師養成施設の卒業生が美容事業所に就職する割合は、減少すると思われます。平成12年後の実績調査において、その傾向が現れていないでしょうか。 3) 美容事業所における、業務処理能力は、実地習練生がいないことにより、これからますます美容師免許を有する人によるところが大きくなると考えられる。 4) 美容師養成施設卒業者に対する求人倍率は高くなると考えられる。 5) 美容師養成施設卒業者の初任給は、高くなる傾向に動くと考えられる。 6) 勝ち組、負け組は、美容サービス力を要因として決定されることが多かったが、これからは、美容師の採用・確保力も大きな要因として加わるのではないだろうか。 7) 「美容事業所、美容師に対しての行政指導」については、 通知「美容所における無免許者の業務に関する指導の徹底について」(平成一一年九月二八日 生衛発第一三九一号 各都道府県知事・各政令市市長・各特別区区長あて厚生省生活衛生局長通知)を必ず認識しておく必要がある。 なお、同通知には、美容師法六条に違反する者に対する処置についても記されています。重要な事項なので紹介します。
以上
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