平成13年8月20日
雄亮
美容の定義
はじめに
美容業に携わる以上は、「美容」という言葉の意味を明確に把握しておく必要がある。 よって、「美容師法」及び「厚生労働省の通知」等により関係するところを索引し、これに努めることとする。
「美容の定義」について(美容師法及び通知より)
1 「美容の定義」美容師法より
美容師法第二条第一項には、「美容」の定義を次のように規定している。
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第二条 この法律で「美容」とは、パーマネントウェーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすることをいう。
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法の解釈について、相反するようであるが次の2点に留意すること
1)「等」は、例示であって具体的に明示したものだけに限定するものでない。
2)「等」は、例示である。したがって、「容姿を美しくする」にも当然に一定の限界がある。例示の趣旨に照らして「等」に含まれる方法も解するようにする。
2 厚生労働省通知より(ホームページにて検索)
美容師法第二条第一項の運用について通知により1)から5)までについて確認する。
1) 「毛染行為」 2)「染毛について」及び「美容師のおこなうカツテイングについて」3)「顔そり」について 4)「美顔施術」について 5)「全身美容」について
1)「毛染行為」
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○美容師法の運用について
(昭和四九年六月一二日)
(環指第一八号)
(各都道府県衛生主管部(局)長・各政令市市長あて厚生省環境衛生局指導課長通知)
標記について、愛知県より照会〔別添1〕があり、別添〔2〕のとおり回答したので通知する。
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〔別添1〕
(昭和四九年五月一四日 四九環第一八九号)
(厚生省環境衛生局長あて愛知県知事照会)
このことについて、左記のとおり疑義がありますので至急御回答を願いたく照会いたします。
記
1 美容師法第二条第一項に規定する「美容」とは「パーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法」によるものと規定されているがこの「等」には頭髪の毛染行為は含まれると解されるがいかがか。
2 略
〔別添2〕
(昭和四九年六月一二日 環指第一八号)
(愛知県衛生部長あて厚生省環境衛生局指導課長回答)
昭和四十九年五月十四日付け四九環第一八九号をもつて照会のあつた標記について、左記のとおり回答する。
記
1及び2について 貴見のとおりである。
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2)「染毛について」及び
「美容師のおこなうカツテイングについて」
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○理容師法及び美容師法の運用について
(昭和五三年一二月五日)
(環指第一四九号)
(各都道府県知事あて厚生省環境衛生局長通知)
理容師法第一条第一項に規定する理容の行為及び美容師法第二条第一項に規定する美容の行為の範囲については、昭和二三年一二月八日衛発第三八二号厚生省公衆衛生局長通知をはじめたびたび通知してきたところであるが、近年における理容及び美容技術の変化、利用者の社会風俗の変化等に伴い、理容所又は美容所において行われる行為について種々疑義が生じている向きがあるため、今後は次により運用することとしたので、この旨十分御了知のうえ、貴管下営業者に対する指導につき遺憾のないようされたい。
なお、昭和二三年一二月八日衛発第三八二号厚生省公衆衛生局長通知「理容師法の運用に関する件」のうち第二項は削除し、昭和三〇年一〇月六日衛環第七四号福岡県衛生部長宛厚生省環境衛生課長回答及び昭和四九年二月二一日環衛第三九号鹿児島県知事宛厚生省環境衛生局長回答は撤回する。
記
一 理容又は美容には、それぞれ理容師法第一条第一項又は美容師法第二条第一項に明示する行為のほかこれに準ずる行為及びこれらに附随した行為が一定の範囲内で含まれるものであり、理容師又は美容師は、それぞれこれらの行為を業として行い得るものであること。
二 一の趣旨にもとづき、理容師のコールドパーマネントウエーブに関する行為及び美容師のカツテイングに関する行為並びに染毛については、次により取り扱うものであること。
(一) 理容師の行うコールドパーマネントウエーブについて
理容師が、刈込み等の行為に伴う理容行為の一環として男子に対し仕上げを目的とするコールドパーマネントウエーブを行うことは差し支えないが、これ以外のコールドパーマネントウエーブは行つてはならないこと。
(二) 美容師の行うカツテイングについて
美容師が、コールドパーマネントウエーブ等の行為に伴う美容行為の一環として、カツテイングを行うことは、その対象の性別の如何を問わず差し支えないこと。また、女性に対するカツテイングは、コールドパーマネントウエーブ等の行為との関連の有無にかかわらず行つて差し支えないこと。
しかし、これ以外のカツテイングは行つてはならないこと。
(三) 染毛について
染毛は、理容師法第一条第一項及び美容師法第二条第一項に明示する行為に準ずる行為であるので、理容師又は美容師でなければこれを業として行つてはならないこと。
三 店頭等における表示においては、二に反する文言は使用しないよう指導されたいこと。
なお、その詳細は追つて通知する予定であること。
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3)「顔そり」について
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○理容師法の運用に関する件
(昭和二三年一二月八日)
(衛発第三八二号)
(各都道府県知事あて厚生省公衆衛生局長通達)
理容師法の運用については、しばしば通牒したところであるが、なお、左記事項留意の上その万全を期せられたい。
なお、昭和二三年四月二一日公保発第四八号公衆保健局長通牒及び同年八月二一日衛発第一一一号公衆衛生局長通牒は、今後これを廃止することと承知されたい。
記
一 略
二 削除
三 化粧に附随した軽い程度の「顔そり」は化粧の一部として美容師がこれを行つてもさしつかえない。
四 略
五 略
六 略
別記
略
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4)「美顔施術」について
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○理容師法及び美容師法の運用について
(昭和五五年一二月九日)
(衛第二九七号)
(厚生省環境衛生局長あて千葉県衛生部長照会)
理容師法第一条第一項に規定する理容の行為及び美容師法第二条第一項に規定する美容の行為の範囲については、昭和五十三年十二月五日付け環指第一四九号により通知されているところでありますが、このたび理容所内に「美顔コーナー」を設置し、理容師が客の性別、頭髪の刈込、顔そり等の施術に関係なく料金二〇〇〇円を徴して、美顔器具を用い美顔の施術(マッサージ等別添資料)を行いたい旨の照会があつた。本行為は,美容師法第二条第一項に規定する範囲に含まれ,理容師法第一条第一項に規定する範囲に含まれないと解釈しておりますが、左記事項につき回答くださるようお願いいたします。
記
1 「美顔施術」は、理容師法の範囲に含まれるか。
2 「美顔施術」は、美容師法の範囲に含まれるか。
3 「美顔施術」が、理、美容師法のいずれかの範囲に含まれる場合は、その判断はどのようにするか。
(昭和五六年四月二五日 環指第七七号)
(千葉県衛生部長あて厚生省環境衛生局指導課長回答)
昭和五十五年十二月九日付け衛第二九七号をもつて照会のあつた標記について次のとおり回答する。
記
いわゆる美顔施術(医療行為又は医療類似行為である場合を除く。)については、当該施術が容姿を整え、又は美しくするために化粧品又は医薬部外品を用いる等業を行うに当たつて公衆衛生上一定の知識を必要とするような場合には、理容師法又は美容師法の対象となる。個々の施術が、理容に当たるか美容に当たるかは、その行為の目的、形態等に照らして判断すべきものである。
なお、いわゆる美顔施術であつても、当該施術が簡易なマッサージ、膚の汚れ落し程度のものである場合には、理容師法及び美容師法のいずれの対象ともならない。
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5)「全身美容」について
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○美容師法の疑義について
(昭和四二年二月一六日)
(環衛第七〇三〇号)
(各都道府県・各政令市衛生主管部(局)長あて厚生省環境衛生局環境衛生課長通知)
標題について別添1のとおり照会があり別添2のとおり回答したので御了知ありたい。
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別添1
(昭和四一年九月三〇日 四一衛公環発第三八二号)
(厚生省環境衛生局環境衛生課長あて東京都衛生局公衆衛生部長照会)
このことについて、従来、本都としては美容師法第二条の定義中、容姿とは主として首から上部、マニキュアおよびペディキュアと限定して解釈し法を運用してきたが、最近全身美容と称し一般の美容室に附属する全身美容室を設け、或いは全身美容のみを専門として営業する者が多数であるので、前記定義を全身を含むものとして解釈してよろしいかどうか至急ご回答をお願いします。
なお、全身美容の営業内容は化粧品等を使用して全身に対する作業を行い、或いはむし風呂、白湯、牛乳、レモン風呂等入浴施設を設け、美顔術と併用して全身のマッサージ等を行なうものである。
別添2
(昭和四二年二月一六日 環衛第七〇三〇号)
(東京都衛生局公衆衛生部長あて厚生省環境衛生局環境衛生課長回答)
昭和四十一年九月三十日付け四一衛公環発第三八二号をもつて照会のあつた標記について左記のとおり回答する。
記
美容師法第二条第一項に規定する「美容」は、「パーマネントウェーブ、結髪、化粧等の方法」によるものに限られており、この「等」に含まれる方法も例示の趣旨に照らして、当然に一定の限界があると解すべきである。すなわち、例示の方法は通常首から上の容姿を美しくするために用いられるものであり、それが多少拡張される場合にもマニキュア、ペディキュア程度にとどまるものと解すべきである。したがつて、御照会のようないわゆる全身美容を目的とする行為はその方法または対象が前記とは著しく異なるものであつて、現行の美容師法における「美容」には該当しないと解する。
なお、全身美容の目的をもつて入浴施設を備え多数人を反覆継続して入浴させるときは当該営業について公衆浴場法の適用があることを申し添える。
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3 美容業に関する標準営業約款施行細則より
美容業に関する標準営業約款の目的は、下記のとおりである。
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第1条
美容業に関する標準営業約款(以下「約款」という。)は、生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律(昭和32年法律第164号。以下「法」という。)第57条の12第1項の規定に基づき、美容業について役務の内容の表示の適正化及び損害賠償の実施の確保等に関する事項を定めることにより、利用者の選択の利便を図り、併せて公衆衛生の向上に資することを目的とする。
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従って、「美容業に関する標準営業約款施行細則」に規定されることについても留意すべきである。「美容業に関する標準営業約款施行細則」には、容姿を美しくする方法がより具体化されているので紹介する。
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第1条
- 約款第3条第1項第1号アの「総合パーマネント・ウェーブ」とは」とは、パーマネント・ウェーブ用剤を用いて毛髪に永続的なウェーブ、カール又はくせづけを与える「パーマネント・ウェーブ」施術に「シャンプー」、「カット」、「ヘア・トリートメント」及び「セット(ブロー)」の各施術を合わせて行うことをいう。
- 前項の「総合パーマネント・ウェーブ」を分けて表示する場合とは、「シャンプー」、「カット」、「ヘア・トリートメント」、「セット」及び「ブロー」のうち、「パーマネント・ウェーブ」施術と合わせて行う施術を表示することをいう。又、「パーマネント・ウェーブ」施術のみを行う場合はその旨表示することをいう。
- 約款第3条第1項第1号イの「シャンプー」とは、シャンプー剤を用いて毛髪及び頭皮の汚れを洗うこといい、毛髪の整形を目的とせず、毛髪を自然な乾燥状態にする範囲の簡単なドライ仕上げを合わせて行うことをいう。
- 約款第3条第1項第1号ウの「カット」とは、シザーズ、レザー及びクリッパー等を用いて毛髪を切り、長さ及び疎密を整えることによって求められたヘア・スタイルを形づくることをいい、毛髪の整形を目的とせず、毛髪を自然な乾燥状態にする範囲の簡単なドライ仕上げを合わせて行うことをいう。
- 約款第3条第1項第1号エの「セット」とは、セット・ローション、ローラー、ピン及びドライヤー等を用いて求められたヘア・スタイルを整形することをいう。
- 約款第3条第1項第1号オの「ブロー」とは、ハンド・ドライヤー、ブラシ及び手等を用いて求められたヘア・スタイルを整形することをいう。
- 約款第3条第1項第1号カの「ヘア・トリートメント」とは、トリートメント剤を用いて毛髪を保護すること、又は傷んだ毛髪を自然な状態に近づけることをいい、「シャンプー」の施術及び毛髪の整形を目的とせず、毛髪を自然な乾燥状態にする範囲の簡単なドライ仕上げを合わせて行うことをいう。
- 約款第3条第1項第1号キの「スキャルプ・トリートメント」とは、トリートメント剤を用いて頭皮を保護すること、又は不健康な頭皮を正常な状態に近づけることをいい、「シャンプー」の施術及び毛髪の整形を目的とせず毛髪を自然な乾燥状態にする範囲の簡単なドライ仕上げを合わせて行うことをいう。
- 約款第3条第1項第1号クの「ヘア・ダイ」とは、染毛剤を、用いて毛髪を求める色に永続的に染めることをいい、毛髪の整形を目的とせず毛髪を自然な乾燥状態にする範囲の簡単なドライ仕上げを合わせて行うことをいう。
- 約款第3条第1項第1号ケの「マニキュア及びペディキュア」とは、爪の形を整え、美爪料の塗布等により手指(足指)を美しくすることをいう。
- 約款第3条第1項第1号コの「婚礼着付(和装・洋装」とは、婚礼の際に化粧を行い、衣装を美しく着付けることをいい、かつらの装着飾り付け又は「セット(ブロー)」の施術を合わせて行うことをいう。
- 約款第3条第1項第1号サの「フェイシャル・トリートメント」とは、マッサージ及びパック等により顔の皮膚に美顔操作を与えて、肌を整えることをいう。
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以上
レポート提出あとに
美容と理容及びエステの領域を確認する一つの資料となりました。例えば、「顔そり」は、全く理容師の領域だと考えておりましたので、「顔そり」についての通知は、今後の参考になりました。 また、「染毛について」及び「美容師のおこなうカツテイングについて」も確認でき、美容師法等を勉強し始めた時の「なぜだろう?」についても解決しました。
一方、見習者(無免許者)は、美容師法第六条の規定により、美容の本質的作業を独立して従事することは認められないことになっております。美容業に関する標準営業約款施行細則より美容の施術を確認してみました。美容業に関する標準営業約款施行細則より確認した美容の施術が美容の本質的作業とすれば、見習者(無免許者)は、美容師法第六条の規定により、それらに関しては独立して従事することは認められないことが理解できます。
以上は、「美容の定義」をレポートした結果といえます。